過敏性腸症候群とは

便通の異常で医療機関を受診した方のうち、約2~3割がこの過敏性腸症候群と診断されています。
国内ではそれほど一般的な病気となっています。

過敏性腸症候群のタイプ
過敏性腸症候群は、便の状態に応じて、以下の4つのタイプに分類されます。
便秘型
排便が困難で、硬い便が特徴です。ストレスが溜まると便秘症状が強くなる傾向があります。
下痢型
形がないほどやわらかい便、水様便が特徴です。緊張時に腹痛や便意を催しやすい傾向があります。
混合型
便秘と下痢が同じような頻度で混在するタイプです。
分類不能型
極端な下痢や便秘ではありませんが、便の状態が不安定です。
過敏性腸症候群になりやすい年齢、体質・性格は?

精神的ストレスが体調に現れやすい方は発症リスクが高い傾向があります。
遺伝的・体質的要因に加え、ストレスや生活習慣が影響すると言われています。
過敏性腸症候群の検査について
検査について

必要に応じて血液検査、腹部X線検査、大腸内視鏡検査などを実施します。
大腸に異常(大腸がんや潰瘍性大腸炎などの炎症)がないことを確認して診断されます。
過敏性腸症候群の治療・お薬について
症状に応じて薬物療法を行います。
消化管の働きを整える薬、腸の調子を整える薬、便の状態を整える薬などを使用します。
便秘型
酸化マグネシウム(マグミット®など)
昔からの定番の薬剤です。便に水分を集めて柔らかくし、緩やかに排便を促し、腹痛も少ないお薬です。
妊娠中の方などにも安全に使用できます。非常に安価で使いやすく、薬局で処方箋無しでも入手可能です。
かなり安全なお薬ですが腎臓がかなり悪い方には注意が必要です。
リナクロチド(リンゼス®)
腸の水分を増やすだけでなく、腹痛や腹部不快感を改善する効果が認められています。
痛みがあまり出現しないことが特徴ですが、水様便にさせる作用が強いため、下痢になりすぎるなどコントロールがやや難しい時があります。
ルビプロストン(アミティーザ®)
腸管内の水分分泌を促し、排便をスムーズにします。主に小腸の上部で水分分泌を促すため、人によってはむかつきなどの症状が出ることがあります。
痛みは出にくくマイルドな効果を得られることが多いです。
ポリカルボフィル(コロネル®、ポリフル®)
便の水分量を調整する便性状調整薬になります。下痢型にも使用しますが、補助的な使用をすることが多いです。
薬剤供給が不安定で入手が困難な状況な時があります。
おすすめできないお薬(刺激性下剤)
センナ、ダイオウなど含む刺激性下剤(コーラック、漢方薬)は常用していると腸の動きが不可逆的に悪くなってしまうことが多く、基本的にはお勧めしません。
どうしても排便が得られない時のみに使用することがあります。大建中湯を除く漢方薬はダイオウが含まれているものが多く、注意が必要です。
植物由来だと害が無いというイメージが強いですが、それであれば大麻も覚醒剤も健康ということになってしまいます。
下痢型(腸の動きにコントロールと痛みの緩和)
5-HT3受容体拮抗薬(イリボー®)
腸の過剰な運動を抑制し、また腹痛を軽減させます。ただし内服した人全員に効果がある訳ではないので、効果を判定する必要があります。
ポリカルボフィル(コロネル®、ポリフル®)
便の水分量を調整する便性状調整薬になります。ポリカルボフィルは薬剤供給が不安定で入手が困難な状況な時があります。
三環系抗うつ薬(ノルトリプチリン)
抗うつ薬として使用されていましたが、帯状疱疹後の痛みの緩和など痛みに有用であることから上記薬剤が無効の際に使用することがあります。
腸の動きをゆっくりへと調整する作用があります。
心療内科での治療
普段の生活からのストレスが主因の事が多く、根本的な治療としては心療内科でのストレスへの対応を軽減することが大事です。
上記薬剤で効果不十分であれば受診が近道と思われるケースが多く見受けられます。
過敏性腸症候群に対する予防
食習慣の改善、生活習慣の改善、ストレスとの付き合い方が大切です。
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3食を決まった時間に摂り、暴飲暴食を避けましょう。
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刺激の強いものや冷たいものはできるだけ控えましょう。
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十分な休息・睡眠を確保し、喫煙している方は禁煙しましょう。
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ストレスは完全に排除できないため、趣味や運動などで上手に解消しましょう。
腸の動きを自由にコントロールすることは不能なので、上手く付き合っていくのが寛容かと思います。
治すというよりも上手く付き合っていくという気持ちで向き合って下さい。
そもそも1日1回綺麗な排便でなければ異常でも無く、皆がそのような排便であれば商業施設や高速道路のサービスエリアの男性用トイレに大便用のブースは設置不要な筈です。





















過敏性腸症候群の検査・お薬・食事












